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どうする?原発のゴミ~スウェーデンはどう考えているか

2085年に国内全原発の完全廃炉と最終処分を決めているスウェーデンですが、実は脱原発国家ではなく、原発を容認しています。
3箇所10基ある原発のうち、現在バルト海沿岸のバースベック原発を停めていますが、これは脱原発の世論が強い、対岸のデンマークやEUへの政治的気遣いに過ぎません。
発電に占める原発の割合は42%。福島原発の事故後も、国民の8割以上は原発を支持しています。
環境意識が高い国と言われている一方で、意外ですね。
そんなスウェーデンでは、将来の核廃棄物の処理をどのように考えているのでしょうか。

スウェーデンでは、国は原発や使用済核燃料の処理に関しては、一切関知しません。
なぜなら、「原子力は民間の仕事」が、政府のスタンスなのです。
同時に、原発に関する情報は国民に公開しています。それは、「最後に決めるのは、国民」という考え方が、徹底しているからです。使用済核燃料、核廃棄物貯蔵施設も、スウェーデン国民なら誰でも無料で見学できます(ただし、メモ撮影は一切不可)。

核燃料の処理会社SKBは、原発所有の電力会社が共同出資で設立し、核廃棄物処分や廃炉に関わる技術開発、研究、またそれにかかるお金の積み立ても行っています
積み立てるお金は、SKBに出資している電力会社自身が出しており、電気利用者の負担は間接的なものにとどまっています。スウェーデン国民には無料公開の関連施設も外国人には有料で、たとえ大臣であろうと見学料を取っています。
こうしたお金も、核廃棄物処分や廃炉のための費用として、プールされるのです。

では、スウェーデンにおける核燃料処分場建設の許認可システムは、どうなっているのでしょうか?
核燃料処理会社は、処分場建設の認可を求める際、まず環境省所管の放射能安全機関と、環境裁判所にお伺いを立てます。
日本ではなじみのない環境裁判所とは、「環境法典」に照らして、審査を行うところです。
同時に自治体、住民、労組、NGOのチェックも受けなければなりません。
さまざまな立場の国民による多重のチェックがあり、これら全てからOKが出て初めて、国会と政府の審査を受けることができるのです。

そして政府は、高レベル使用済核燃料中央貯蔵施設の認可を、未だ下ろしていません。

「原子炉の寿命は40~50年」とされていますが、これには科学的根拠は一切なく、あくまで経済的な理由によるものなのです。
SKBは、廃炉には建設よりはるかにお金がかかることを知っています。そして最終処分の方法についても、「私たちは実際には、何も分かりません」と言っているのです。

「次世代にツケを残さない」というのが、スウェーデンの考え方だそうです。だから今、やれることをやり、お金も積み立てておくのだと。
でも、2085年に全原発の最終処分を完了したところで、高レベル使用済核燃料の放射能半減期は、数万年から数億年です。たとえ多重の防御をして地中の岩盤深くに封じたとしても、これが未来へのツケであることは、変わらないのではないのでしょうか?

原発に関わる自前の技術を持ち、電力会社が自らの責任と費用で最終処分の努力をしている。
安定した岩盤層があり、地震がない。
情報公開に努め、国民、行政、政府の多重のチェックのもと、最後には国民自身が判断する。
そんなスウェーデンでさえ、放射性廃棄物の最終処分への道筋は、厳しく険しいものなのです。

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