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TPPでトクをするのは だれ?(2)「国より国民より 企業がエラい!」

NAFTAも米韓FTAも、そしてこれらに準じるTPPでも、ISD条項や非違反提訴条項は、アメリカ側に徹底的に有利に作られています。
自分の国の法律や制度さえ、「自由な貿易と投資の妨げ」と否定されるかも知れない。
アメリカから提訴されて負けようものなら、がっぽり賠償金を持ってゆかれる。
「えっ、じゃあTPPでトクするのって、アメリカばっかりじゃん!」
「トクするのはアメリカ企業ばっかりなのに、なんで日本企業までTPPに乗り気なの?!」
そういう疑問がわいてきます。
では、当のアメリカ側は、どうなのでしょうか?

「日本の国会議員は、TPPをほとんど分かっていない」と嘆く人が多いのですが、実のところアメリカの議員たちも、TPPのことはほとんど分かっていないようです。
本当のところを知っているのは、アメリカでもエリート官僚と大企業幹部だけで、彼らが議会にはかることなく、ほとんど全てを決定しています。

そのため、利益を独り占めできるはずのアメリカも、好景気にわいているわけではないのです。
先日、自動車産業の聖地ともいえるデトロイト市が財政破綻しました。
税金を投入して破綻から再生したゼネラルモータースはじめ、フォード、クライスラーの「ビッグ3」は、名目上の本社こそデトロイトに置いているものの、経営や生産の中枢は他の州や海外に移っています。
そのためデトロイトからは人がいなくなり、街はさびれ、税収も落ちて破綻したのです。

じつはNAFTAでもFTAでもTPPでも、アメリカ国民はトクをしていません。
アメリカ国民の8割は、NAFTAやTPPに反対しています。
企業はごく一握りの超優秀な人材以外は、安く使える移民を求めるため、一般のアメリカ人は次々に職を失っています。その不満の行き先が、移民やあらゆるマイノリティの排斥運動、あるいは「ティーパーティ」に代表される、超国粋主義志向になっているのです。

では、トクをしているのは誰?
NAFTAやFTA、TPPをバックに、思い通りにビジネスを進め、莫大な賠償金を貰っている企業です。
彼らは、アメリカにも利益を還元させません。もはや「アメリカ企業」でもないのです。
本国には名目上の本社だけ置き、実際の事業や資材、人材の調達は海外に拠点を設けて行う、いわゆる、「多国籍企業」「グローバル資本」に実態を変えています。
そして、TPPを押し進めようとしている経団連や、そこに加盟している大手日本企業も、実は「多国籍企業」の側におり、「多国籍企業」の立場で物事を考えています。
いまや多くの日本企業の主要生産、流通拠点は、新興国を中心とした海外だからです。
それなら、経団連や大手企業がTPPに熱心なのも、合点がゆきますね。

彼らが考えるのは、「国の利益」より「自社の利益」。
だからNAFTAも米韓FTAもTPPも、本当は「アメリカvs日本その他の国々」ではなく、「多国籍企業vs国」なのです。

TPPの本当の問題は、国家より企業資本が優位に立つことです。
司法が、グローバル資本のルールに否定されることです。
それはすなわち、主権が国民から多国籍企業に奪われるということを意味するのです。

自民党のTPPで話が違う件

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